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【葬相終】相続の手引き



2022年の相続経験を元に、将来の相続人な方々に助言を記します。

土地の相続がある場合、その年(1/1~12/31)の土地価格を算出する路線価の発表日が7月1日のため、相続税の申請は7/1以降しかできません。相続税の申告期限が死亡後10ヵ月と長いのはそのためらしい。

建物だけなら、その年度(4/1~3/31)の固定資産評価額を4月1日以降に役所で入手できるため、相続税の申告はすぐにできるようです。

 

 

 

役所に死亡届を出した後にすること

3つの期限の中に 3つの業務があります。

期限①:相続放棄 3か月以内

期限②:準確定申告 4か月以内

期限③:相続税の申告 10か月以内

業務①:不動産の登記【司法書士へ委託】

業務②:各種名義変更【相続人自身でやる】

業務③:相続税の申告【税理士へ委託】

「期限①:相続放棄 3か月以内」までにやること

□ 被相続人(故人)の財産を確認

銀行口座、銀行印鑑(実印は不要)、証券口座、不動産の固定資産税 納税通知書(不動産の権利書は不要)、住宅ローンなどの負債、自動車の車検証、銀行などへの出資証券、ゴルフ会員権など

□ 相続人(配偶者、子)の相続割合を決める

法定相続分は、一次相続なら 配偶者1/2+子は残りを均等分配。二次相続なら 子のみで均等分配。
ですが、土地や建物は分配できないため「土地をもらった人は、現金をもらわず」といったルールを相続者全員で協議必要。協議結果として、遺産分割協議書を 不動産関係は司法書士、お金関係は税理士に作成してもらい 不動産登記の変更や 相続税の申告をする。
相続税の申告は、相続額が基礎控除の「3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )」以下であれば申告不要。
一次相続の場合は、1億6,000万円の配偶者控除を利用する人がほとんどだと思う。この場合でも、相続税の申告は必要。申告をすることで配偶者控除が利用でき、申告しないと基礎控除のみになり、追徴課税が来るかも?

借金などの負債は、遺産分割協議書で相続割合を0%にしても無効。遺産分割協議書はプラス資産のみ有効なため、負債は相続人全員が返済義務を負う。相続人の返済割合は決めれず、全員が負債全額の返済責任を負う。負債から逃れる方法は、相続放棄のみ。相続放棄以外に限定承認という方法もあるが、司法書士にお願いしても面倒で嫌がられるため実質 相続放棄のみ。
尚、子が全員相続放棄すると 故人の親や兄弟に相続権が移行するため、負債から完全に逃れるには親族全員の相続放棄が必要。仮に相続放棄できても、相続財産管理人が出てきて財産整理に巻き込まれるため、放棄したらそれで終了ではない。
私の経験から「相続放棄すればいいじゃん!」と軽く言う人は、相続放棄の意味を知らない人のため、そのような人には相談せず、司法書士に相談しましょう。司法書士は、相続放棄せずに済む最善策を親身になって尽力してくれるはず。

最終手段の相続放棄は、死亡日から3ヶ月以内と期間が短いため、金額の大きい負債が見つかったらすぐに司法書士に相談することをお勧めします。特に故人が会社を経営していたり、過去に経営していた場合は、故人の会社貸付金残高の有無を必ず確認必要。

□ 相続の資料を集める。相続割合0%の相続人も資料必要。

【役所】被相続人の「戸籍謄本(出生~死亡まで)」
【役所】固定資産税 納税通知書に記載の全物件の「固定資産評価証明書」
【役所】相続人の「印鑑証明」x3通(相続割合0%なら1通)
【役所】被相続人と同居の相続人の「住民票(本籍有、マイナンバーなし)」x1通
【役所】被相続人と別居の相続人の「戸籍抄本」x1通
【銀行】被相続人死亡日の「銀行残高証明書」(通帳などの残高がわかるものがあれば不要。通帳は死亡日移行の記帳日の記載が必要と思う)
【証券会社】有価証券(株、出資証券など)の被相続人死亡日の「評価額」

戸籍は本籍地の役所でのみ発行可のため、遠方の場合は電話やネットで申込みして取り寄せとなり、入手に約1か月必要なため すぐに手配必要。父母または義父母が遠方に居れば代わりに役所で入手可。「戸籍謄本(出生~死亡まで)」は、故人が過去に登録した全ての本籍地の役所から取り寄せる必要があるらしい。

上記を取得するために交通費や手数料が必要だが、それらは相続額から値引きすることはできず、全て自腹になる。

業務①:不動産の登記【司法書士へ委託】

相続の資料を集めつつ、司法書士に遺産分割協議書作成と不動産登記を依頼しましょう。司法書士に 必要な資料と依頼費用を必ず確認しましょう。

業務②:各種名義変更【相続人自身でやる】

□ 不動産以外の財産の名義変更
銀行口座、証券口座、自動車の車検証、ゴルフ会員権など

□ 公共料金の契約者、支払い方法の変更
水道、電気、ガス、電話、インターネット、NHK、新聞など

□ 保険の契約者、支払方法の変更
医療、火災、地震など

□サブスクの解約
銀行口座の自動入出金設定、定期購入(通販、GooglePlay、AppleStoreなど)、証券会社積立、アマゾンプライム、PS Plus、ブログ契約、デジタル新聞など

「銀行口座は死ぬとすぐ凍結される」と聞いていたが実際は全く凍結されない。
死亡したことを相続者が銀行に伝えたときに凍結される。残高証明書を銀行に発行してもらう際も相続のためとわざわざ言わなければ凍結されない。実際、凍結されなかった。すぐに凍結されると公共料金などの引落しができず困るからだと思う。
私の場合は、口座解約するまでの3ヶ月以上 故人口座が凍結されずに自由に入出金できた。
ただし、口座から引き出した時点で相続放棄できなくなるらしい。相続放棄する人は故人の財産に一切関与してはいけない。

「死ぬ前に銀行口座のお金を全部出金しておこう!」ともよく聞くがと安易に出金してはいけない。
公共料金やクレジットカードの引落しが失敗するからだ。特にクレカが厄介で いつ いくら落ちるのかが全く予想できない。だから 逆に多めに入金しておいた方が無難だ。亡くなる前に入金するときは、現金ではなく、相続者の名前で振込入金すれば、相続時も貸付金として相続金額から除外できると思うが、私の場合は 死後に現金入金したので断言はできない。
定期的に銀行残高を確認し、引き落とされる公共料金やクレカなどを確認したら、それらの名義変更や解約をしていく作業を何度も繰り返す必要がある。
クレカはできるだけ解約せず、ネットログインパスワード入手か明細書面切替すべき。そして、明細から故人の全てのサブスクなどを解約した方がいい。

私の場合は 上記をせず、口座残高不足で高額クレカ請求の引落しに失敗し、クレカ会社から遅延損害金を含む数十万円の請求書が書面で来た。
しかも、請求書がクレカ会社とは別会社名だったため、その請求書がクレカ会社からだったと、請求書の会社に電話して初めて知った。最初の請求書は詐欺だと思って電話せず、次の請求書で電話したため遅延損害金がさらに増えてしまった。
何の請求が数十万円分もあるのか知りたかったが、クレカ解約済を理由に教えてもらえず、相手の提示した請求金額をそのまま支払った。ただ、リボ払いの残債であることだけは教えてもらえました。尚、クレカ引落しが失敗したことにより相続者がブラックリストに載ってしまうかも?と思ったが、その後に問題なく私はクレカ3枚を新規発行できたため、死後の引落し失敗は相続者に影響は出ない。

上記の件に懲りて、その後に発見した年会費完全無料のクレカは解約せず放置した。相続者が故人のクレカや口座を見つけれない場合は放置されるため問題ないと考えた。
クレカ会社は、クレカを解約しても公共料金からの請求は受け入れ、解約時にリボ払いの設定をしたままだと リボ払いの金利を乗せて請求するとのこと。クレカ解約時は必ずリボ払いを解除しましょう。

NHKは、契約者死亡でも家が残っている場合は解約には応じられないと言われた。家を引き継ぐ人への名義変更のみ受付け可とのこと。「NHKをぶっ壊すNHK党」が躍進するのも納得。

大量のサブスクをクレカ払いする現代は、死亡時の引落し失敗によるクレカ会社からの遅延損害金が今後大量に発生するだろうね。

名義変更の手続きでは「名義変更」という言葉はあまり使われず「承継」が使われる。継承ではありません。電話で「しょうけい てつづきを ごきぼう とのことでしょうか?」とよく聞かれるため覚えておきましょう。

期限②:準確定申告 4か月以内

準確定申告は、個人事業主をしている人は必ず提出必要。
提出必要な人が前年の確定申告を提出せずに、1月から3月15日までに亡くなったときは、前年と今年の両方の準確定申告が必要。ただし、基礎控除は満額(通常48万円)使えるため 今年の分は不要な場合もある。私の場合がそうだった。
尚、配偶者・障害者・扶養などの基礎控除以外で所得税がゼロになる場合は申告必要と思う。なぜなら、それらは申告することで利用できる控除なため。死亡した年は、故人が障害者・配偶者・扶養控除を準確定申告で申請し、遺族が年末に寡婦・配偶者・扶養控除を確定申告で重複申請できる特例もあるため、控除の落ち漏れに気を付けよう。
準確定申告は、確定申告書に「準」を書き足し、国税庁サイトからダウンロードできる「確定申告書付表」を付けるだけ。故人の過去の確定申告書や源泉徴収票が見つかれば簡単に作成できるが、見つからなかったら相当苦労すると思う。私の場合は 見つけれたため 苦労は全くしなかった。
3月15日までに亡くなった場合、前年の確定申告の申告期限は3月15日ではなく、死亡日から4ヶ月後に延長される。

期限③:相続税の申告 10か月以内

相続税の申告は、相続額が基礎控除の「3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )」以下であれば申告不要。

相続額は、死亡保険金控除(500万円 × 法定相続人の数=相続放棄人も含める)後の金額である。

土地の相続がある場合、その年(1/1~12/31)の土地価格を算出するための路線価の発表日が7月1日のため、相続税の申請は7/1以降しかできない。相続税の申告期限が死亡後10ヵ月と長いのはそのためらしい。

建物だけなら、その年度(4/1~3/31)の固定資産評価額を4月1日以降に役所で入手できるため、相続税の申告はすぐにできるらしい。

相続税の申告は、7月以降に税務署から届く分厚い申請資料を見ながら自分で申請することもできる。ネットを見ると相続額2億円以上は、税務署が相続税の税務調査に来る確率が高くなり、確率を下げるために税理士へ委託した方が良いと書いてあった。しかし、私の周りの税務調査が来た人たちは 全員 税理士に委託していたため税理士に関係なく金額で税務調査に来ると思う。

私は相続額ではなく 土地の相続があるときは、税理士に委託するのが良いと思う。土地の評価額の計算は複雑で難しいのでプロに任せた方が良い。税理士の相続税申告手数料は、プラス資産の0.5〜1.0%が相場のようです。

業務③:相続税の申告【税理士へ委託】

相続税の申請に必要な書類は下記

プラス資産

□ 死亡日の銀行・証券口座 残高証明書
通帳やネットバンクの残高履歴画面で死亡日以降の日付の記帳があれば証明書の添付は必須ではないらしいが、司法書士や税理士に依頼するときは ちゃんとした残高証明書を要求される。
証明書取得に手数料が必要なため、残高少額口座は知らなかったことにして一切着手せず無視かな?

□ 固定資産評価証明書
建物は、毎年5月に送られてくる今年度(4/1~3/31)の固定資産税の課税明細書でOK。
土地は、7月1日以降に役所で 固定資産評価証明書を取得必要。名前が似た証明書があるため必ず「固定資産評価証明書」と書かれた書類を取得すること。私の場合、役所で固定資産評価証明書を要求したが違う証明書を発行され、3回目でやっと正しい証明書が取れた。2つの役所を回ったが両方とも1回目は違う書類を発行された。わけカワメ。

□ 会社貸付金残高
故人が自営業などで起業していたり、現在は営業してない休眠会社を所有しているときは、その会社の確定申告書(決算書)を確認して、故人が会社にお金を貸してないか確認必要。個人から会社への貸付金残高がある場合は、その金額はプラス財産として相続税の申告必要。
第一団塊世代は、バブルで企業し、バブル崩壊で会社を休眠させている人が少なくないと思う。休眠会社にしている理由が 故人の会社への貸付金残高を返済できないためということもある。休眠会社を所有する個人の場合は、安易に故人の相続をせず、司法書士に相談して休眠会社を精算する目処付けができてから、相続の手続きに入った方が良い。

□ 家財、車の評価額
売却時の最低金額で良いと思う。
それぞれ10〜30万ぐらいかな?

□ 死亡保険金
生命保険金だけでなく、医療保険や火災保険の解約返戻金も申請必要。解約せず承継する場合は、解約返戻金を評価額として申請。

□ 年金・介護保険料清算金、後期高齢者医療費還付金
上記納付金が役所から還付されるはず

マイナス資産

□ 準確定申告 納付金額
納付ではなく、還付を受ける場合はプラス資産になると思う。

□ 葬式費用
葬儀代、火葬代、お坊様へのお布施、葬儀者への食事代など葬儀当日までに必要な費用は全て葬式費用として計上OK。葬儀後の初七日や四十九日などの法事費用は計上NG。

□ クレジットカード・介護サービスなどの未払金
死亡日以降に支払った請求金額

□ 未払いの固定資産税、自動車税
固定資産は翌年2月分まで、自動車税は本年度5月分までの未払い分が対象。

相続税のアレコレ

私の経験した今回の一次相続は、二次相続までに何をすべきか気づかせてもらえる良い機会だった。

一次相続で把握した親の資産から 二次相続時の相続税額を算出することができた。

一次相続は、1億6,000万円の配偶者控除が利用できるため ほとんどの人は相続税ゼロ。

しかし、二次相続は基本控除のみになるため 土地の相続がある場合は、ほとんどの人に相続税がかかる。

その二次相続が手に負えない金額になる場合は、相続税対策を今後していく必要があると気づく。

現金は、一時払い終身死亡保険・贈与・毎日の生活費で相続資産を減らして相続税対策できる。
しかし 土地や建物は、売るのか残すのかを決め、売るときは時期を、残すときは維持方法の検討と、必ず何かのアクションが必要。

多くの人が悩むであろう親の家は、残す場合は相続者が実家に同居していないと相続税控除が受けられない。

実家に限らず 土地を残すなら、相続時までにできるだけ相続税控除を受けられる状態にしておくのが不動産の相続税対策となる。

いやぁ、相続って本当にいやなもんですね~